第99話「ダイエットできないとき」
お正月のメルマガで、ダイエットには明るいビジョンが必要だと書きました。
たしかに、悩みがあったりして、やる気がおきないという事は多いでしょう。
実際、ダイエットの大事さはわかっているのに、できないよ~~~
というメッセージは多いです。
それで、今日はこの「ダイエットできない」精神状態について書きます。
かなり、ココロの奥深く入り込みますよ~♪(なんのメルマガかわかりませんね・・・)
本当のことを言えば、ダイエットできるというのは、すごいことなんです。
普通の精神状態で、ダイエットなど出来るハズはないのです。
なぜなら、ダイエットしようと考えているあなたは「向上心」のカタマリです。
そして、自分を変えようという、情熱があり、行動力があり、忍耐力があるのです。
この世の中、嫌なことや、辛いことは多いです。
自分の思うとおりにならない事の方が多いですよね。
時間が足りない、お金が足りない、悩みでココロここにあらず・・・
ダイエットも家族の理解が得られないし、続けてゆく自信もない・・・
だから、ダイエットなんかできないというのが普通です。
自分を磨くなんて、ホントはカンタンにできることではないのです。
現代では、生活が便利になり、自由を楽しめる世界に見えます。
じっさいに、テレビや雑誌など、たのしいビジョンがあふれています。
でも、それは本当なのでしょうか。
私は、苦しみや悩みのない人は、どこにもいないと思っています。
「他人の芝生は青く見える」というように、他人の苦しみは当人でなければ分かりません。
じっさいは、太古の昔より、人間の苦しみは変わることなく、今も、未来もあるのです。
仏教のコトバを借りれば、「人生は苦しみ」なのです。
生きることは苦しみであり、誰であっても逃れることはできません。
それが、伝統的には「四苦八苦」というコトバで表現されています。
生・老・病・死の四苦と、怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、五陰盛苦の八苦です。
カンタンに解説します・・・
生:この世に生まれる苦しみ(生まれることは、苦しみの始まりなのです)
老:歳をとる苦しみ(カラダの自由がきかなくなり、醜くなるのはツライです)
病:病気になる苦しみ(なにも好きで病気になる人はいないのですよね)
死:そして、死の苦しみ(いうまでもありません・・・)
怨憎会苦:嫌いな人に合う苦しみ(ありますよね・・・)
愛別離苦:好きな人と別れる苦しみ(誰にでもあてはまります・・・)
求不得苦:求めても得られない苦しみ(お金、健康、美貌、自由、名声・・・)
五陰盛苦:肉体の欲望が抑えられない苦しみ(食欲、睡眠欲、性欲、呼吸、排泄・・・)
この四苦八苦は、だれであっても逃れられません。
どんなに、自由に生きているように見える人だって、絶対に逃れられません。
じつは、2600年前の苦しみと、現代の苦しみは、基本的に変わっていないのです。
だから、キレイになるとか、ダイエットするとか、普通は難しいことなのです。
じゃあ、生きていても仕方がなくて、人生は辛く苦しいだけなのか・・・
しかし、生きていると、ささやかな幸福や希望を感じるときもありますね。
これを、仏教では「泥中の花」といいます。
よく、お盆など、金色の蓮(ハス)の花がおそなえしてありますよね。
蓮の花というのは、どこに咲くのか知っていますか?
けして、花畑とか、豊かな土地とか、清冽な水の中に咲くのではありません。
水は灰色ににごり、ドロは異臭を放つような、泥沼に咲くのです。
そういう汚らしいところから、緑色の茎を伸ばします。
そして、季節になると、鮮やかな花を咲かせるのです。
(こんな花です↓)
http://www.ajkj.jp/ajkj/oita/usuki/kanko/usuki_hasu/usuki_hasu_450.jpg
この、汚らしい泥沼というのが、この世の中を表しています。
闘争と破壊、憎しみと嫉妬、怒りと悲しみの絶えない、この世界を象徴しているのです。
蓮は、その中にあって、清らかな花を咲かせているのです。
この花とは、私たち人間の生き方を象徴しています。
キレイな花が、キレイな畑や花壇に咲くなら、あたりまえかもしれません。
しかし、そのような、汚らしい所から、清らかな花を咲かせるからこそ素晴らしいのです。
それが、この世界を象徴しているのです。
だからこそ、昔から仏教者は蓮の花にあこがれてきたのです。
私たち人間は、できうるならば、「泥中の花」をめざさなくてはなりません。
苦しいからといって、「泥中のゴミ」や、「泥中の枯草」になってはいけないのです。
この、辛いことばかり多くて、悩みが多い世界で、どう生きるのか?
たとえば、自分を磨くとか、ダイエットするというのは、「泥中の花」を咲かすことです。
だってそうでしょう。
だれでも、歳をとれば醜くなります。
だれでも、普通に生活すれば、現代では、太るしかないんです。
この現代社会で、スリムでいるのは、花を咲かせているのとおなじです。
この現代社会で、キレイでいるのは、花を咲かせているのとおなじです。
この現代社会で、向上心を持っているというのは、とても尊いことなのです。
そして、スリムでキレイだけではありません。
この悩ましい世界で、定年まで仕事を続けるのは、リッパな花だと思えませんか?
この悩ましい世界で、子供を育てるのは、リッパな花だと思いませんか?
たとえ、太いカラダでも、たとえ容貌は衰えていても、リッパな花を咲かせているのです。
どちらも、向上心と、優しいココロと、努力と、忍耐がなければ出来ることではないのです。
ダイエットできないと、悩むことはないのです。
ダイエットの前提は、人間らしく生きることなのです。
人間らしく生きるとは、人間としての義務を果たすことです。
自分のココロに対して、誠実に生きることが大事なのです。
今やるべきことは、今しかやるときはないのです。
人間として生きてゆくために、やるべきことは誠実に義務を果たす。
誠実に、正直に生きた人は、それが自信になります。
その自信が、心の豊かさに成長していくのです。
それが、シアワセなのだと思います。
シアワセだからこそ、スリムにもキレイにもなれるのです。
だいたいは、他人と比べて自分は・・・と、悩んでいるのです。
しかし、うらやむ隣人も、違う問題で悩んでいるはずなのです。
これは法則なので、例外はありません。
悩みの無い人間というのは、一人もいないのです。
たとえ、どんなにお金があっても悩みは消えないのです。
世界一の金持ちであった、ロックフェラーの話を知っていますか?
カレは豊かになりすぎて、多くの人間から嫉妬と非難の攻撃を受けることになりました。
そして、病気になり、「この病を治してくれたら、全財産の半分をあげる」とまで言うのです。
そして、ロックフェラーは、ついに、自分の財力を社会奉仕に使うことを始めたのです。
使い切れないほどのお金を、国を良くするために、ほとんど寄付したのです。
そうすることで、不思議と病気も治り、嫉妬も非難も消えたのです。
そしてカレは心豊かな生き方の見本を、後世の人に教えたのです。
「人の役にたつ」ということは、ココロ豊かになる秘訣です。
なんの役にたつかは、それは、何でもかまわないのです。
コトバを変えれば、「人に優しくする」でも同じです。
これをつきつめれば、「人を愛する」ということになるのでしょう。
だから、まず、身近な人のお役にたつことを考えましょう。
とうぜん、家族のために、お役にたつことは、とてもリッパなことです。
子供や、親や、おばあちゃん・おじいちゃん・妻・夫・・・
ご近所の方や、学校の関係とか、いろいろあると思います。
また、街のごみ拾いをする人もリッパです。
ボランティアで、地域のお世話人をする人もリッパです。
こんな「メルマガ」だってそうなんです。
誰かの「お役にたっている」という実感があればこそ、続けることができます。
ココロには法則があるのです。
自分のことを考えすぎると、悩みが増えます。
他人のお役にたとうとすると、シアワセになるのです。
ですから、向上心とやる気にあふれて、ダイエットをするのはリッパです。
しかし、ダイエットできないから、ダメな人間ではないのです。
人間には、「時期」というものがあります。
できないときには、できない理由があるのです。
だから、自分を責めずに、「人のお役にたとう」と思うことです。
それは、多くの場合、「仕事」「家事」「育児」「介護」等の、ジミなことであるでしょう。
しかし、あなたがやらずに、だれがやるのですか?
たとえ、給料にならない家事や育児であっても、それは「人の役にたっている」のです。
あなたがいなければ、困る人がいるのです。
イマやらなければ、やるときはありません。
そして、悩みというのは、逃げると追いかけてきます。
環境を変えようと、ムリに動いても、必ずまた現れてくるのです。
ぎゃくに、悩みに立ち向かい、受け入れた時に、人生が変わります。
逆説的ですが、人生とは、そうしたものだと思います。
花を咲かせる人なら、ダイエットだって心配ありません。
時期が来れば、かならず、ダイエットに成功します。
ダイエットできないときは、イマやるべきことをやりましょう。
それが、人間として、大事なことだと思います。
さいごまで、読んで頂き、ありがとうございます。
ちょっと、生意気でしたかね・・・笑
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【編集後記】
今回は、少し仏教的な色合いにしてみました。
どうだったでしょうか・・・
ダイエットとしては、異色な話だとおもいます。
でも、突き詰めれば、ダイエットもココロの問題になります。
こういう考え方も、大事なことだと思いますよ。
それでは、また来週~♪
船田☆^^!