161【歯周病とダイエット】
以前は「歯槽膿漏(しそうのうろう)」とも言われていた歯周病。
歯周病とダイエットの関係など、ふつう考えることはありません。
でも、本当は、とっても深い関係があるのです。
実は、家内が歯科医に通っている関係で、勉強する機会があり、その実態に驚いています。
歯茎から、血がでる、膿がでる、腫れる、痛いという症状をはじめ、
歯がぐらぐらする、食物が噛めない、口臭があるなど、嫌な症状のオンパレード!
あげくの果ては、歯が抜けて、「入れ歯」にするしかない病気です。
入れ歯なんて、年寄りになれば当たり前、なんて思ったらとんでもない間違いです。
現代では、早ければ20代から発病して、抜歯になることは珍しくありません。
現代人の、およそ80%が発病しているといわれているから、他人事ではないのです。
ただ、今では「インプラント」という技術があるため、かろうじて歯は保つ事ができます。
でもインプラントは保険の対象外であるため、高額ですし、アフターケアも大変ですね。
だいたい、1本の歯で、30万~50万円というのが相場です。
でも、1本だけ悪いという人は少なくて、ふつう何本も治療するから、通常、100万以上はします。
なるべくなら、歯周病になんて、なりたくないと思うでしょう。
一般的に、歯周病の原因は、歯垢(プラーク)に含まれる歯周病菌の繁殖だといわれています。
そのため、正しい歯磨き等のプラークコントロールが大事だといわれています。
でも、歯周病は一般的に、いくら治療しても「治らない」と考えられていますよね。
とりあえず治療すれば、一時的に良くなりますが、すぐに再発してしまいます。
そして、だんだん、歯が長くなってきて、ぐらぐらしてきて、抜歯するしかなくなるのです。
歯周病の原因は、歯周病菌という事になっていますが、ホントはそれだけではないのです。
それだけではない、というよりも、それは結果でしかなくて、本当の原因があるのです。
西洋医学にありがちですが、プラークコントロールというのは、対症療法にしかすぎません。
つまり、カラダに現れた症状にたいする治療であって、根本原因を治してはいないのです。
歯周病の、本当の原因は、「食生活の乱れ」と「栄養の偏り」です。
歯周病になるとかかりやすい病気として、糖尿病や高血圧がある、といわれています。
ただ、歯周病が「生活習慣病」であるということは、あまり認められていないのが現状です。
これはワタシが考えた事ではなく、ある歯科医が30年前から主張していることです。
その方は、通常の歯科大学で学び、歯科医になったのですが、ある疑問がありました。
それは、歯槽膿漏の治療効果が良くない、こんな治療法でいいのだろうかという悩みです。
そして始めたのが、訪れた患者さんの「生活習慣の聞き取り調査」。
同じような症状の方に、同じ治療をしても、治る方と、治らない方がいるためです。
その結果、大変なことが分かったのです。
歯周病が治る方と、治らない方には、必ず、一定の「生活習慣の違い」がありました。
歯周病が治らない方は、「カロリー過剰」「脂質過剰」「たんぱく質過剰」の食生活。
そして、ビタミン・ミネラル・食物繊維の摂取が極度に不足している事が分かったのです。
その結果を元に、患者さんに「食生活指導」を始めたところ、大きな成果が現れました。
カロリーと脂質の取りすぎを控え、野菜・小魚・海藻などを積極的に食べるように勧めました。
このような食生活の改善を加えて治療をすると、歯周病が劇的に治るようになったのです。
ところが、この治療法を医師会で発表すると、「悪意ある陰湿な弾圧」が始まったのです。
なんと行政と歯科医師会が一体となって、まるで悪者を扱うように監査や指導が行われました。
そんな食生活指導など止めるよう、ダンボール箱いっぱいに脅迫状が送られて来たのです。
この医師は、そんな脅迫には負けず、全世界の人たちの「歯」を観察してきました。
観察の結果、伝統的な食生活を守っている地域には「歯周病がない」ことを確認したのです。
つまり、歯周病というのは、生活習慣病であり、文明病でもあったのです。
その後、医師は、毎月1回の「良い歯の会」という学習会を始め、すでに30年間も実践しています。
その医師の病院は群馬県高崎市にあるため、ワタシも何回か出かけて勉強してきました。
なんと、医師本人による、スライド写真を活用した「食生活」中心の勉強会だったのです。
学んでみて分かったのは、「良い歯」と「ダイエット成功」は、「同じ食生活」だということ。
もちろん国によって違います。日本人とマサイ族とモンゴル人は同じものを食べません。
共通しているのは、伝統的な食生活を守り、よくかんで食べているという事です。
よく噛むというのは、つまり、繊維質が多いことを意味します。
この食生活を守り、よく動き、よく働く人は、健康だし、歯周病も肥満もないのです。
厚生労働省が定める「1日の栄養所要量」というのがあります。
これと、患者さんの聞き取り調査を比べると、やはり明らかな傾向があるのです。
歯周病が治らない人の特徴は、栄養所要量に比べ「脂質が2倍以上の過剰」
そして、たんぱく質とカロリーも過剰になっていて、肉類・油料理の食べすぎです。
そして、たくさん食べているのに、ビタミンC・A、カルシウム、鉄、繊維質が不足なのです。
人によって違いがありますが、傾向は同じで、必要量の30%以下の場合がほとんどです。
そして、歯周病のない人の聞き取りをすると、脂質、たんぱく質、カロリーは若干不足ぎみでも、
鉄、ビタミンB群は2倍以上、カルシウム、ビタミンC、繊維質などは3倍も食べているのです。
これは、ダイエットが成功する食生活とまったく同じです。
本を読み、直接話を聞きましたが、やっぱり「歯周病予防」と「ダイエット生活」は同じです。
と言うことは・・・、正しいダイエット法を実践すれば「歯周病にならない」のです。
うーん、ダイエットをすると、歯周病にならない・・・というのは知らなかった!
ただですね、間違ったダイエットをやると、歯周病や生活習慣病になりますからね。
そこを間違わないでください。「正しいダイエット」をやると、歯周病にならないのです。
ようするに、歯周病は、歯を支える「歯槽骨」という骨が溶けるから歯が抜けるのです。
「骨が溶ける」と聞くと恐いですが、みなさん、知らずに恐いことしているんですよ・・・笑
ケーキを食べる、チョコレートを食べる、缶コーヒーを飲む、タバコを吸う・・・。
これ、みんな「骨が溶ける」原因ですからね。
白砂糖を消化するときには、カルシウムやビタミンBなど、カラダから調達するのです。
カルシウムをどこから調達するか、わかりますよね・・・「骨」ですよ!
なにしろ、ケーキにカルシウムなど含まれていません。
だから、仕方がないから、骨から調達しているのです。
ケーキは食べるのに、ダイエットと称して、栄養のある食事をしない。
だから、歯を支える骨が、溶けてなくなってしまうのです・・・涙
さらに、タバコを吸ったら、最悪です。
タバコは毛細血管を収縮させ、血行を悪くする嗜好品です。
タバコの有害成分をカラダの隅々まで送らないようにするために血管が狭くなるのでしょう
だからこそ、タバコを吸うと、歯周病になる確率は2倍~6倍になるといわれています。
これは、歯科医学会の常識になっていますので、なるべく禁煙した方がいいですね。
歯周病になりやすいだけではなく、「タバコを吸うと治療しても治らない」といわれています。
ダイエットも、歯周病も、健康生活と正しい食生活が基本ですね。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご紹介した、「良い歯の会」ウエブサイトです
http://yoihanokai.jp/